2013UTMF≪レースレポVol.3≫ [ UTMF]
《レースレポVol.2からの続き》
こどもの国エイドから先は未知のコース。
次のエイドの水ヶ塚公園までは緩やかな登りが続く。
なんとなく雰囲気のよいトレイルだったような気がするが、いまいち記憶にのこっていない区間。
写真だけが頼りです。
東京に住んでいるとなかなか南側から富士山を眺める機会が少ない。
朝日を受けていつもと違った美しさをみせている。
ほとんど人が訪れそうにないが雰囲気良い湿原。
これでもコースの一部。大雨だったら川になってそう。
だいぶ富士山の東側に回ってきた感じ。
もうほとんど人に会わなくなってきた。
A5水ヶ塚公園到着。88.8Km。18時間8分(LAP1時間52分)。
水餃子入りのうどんを頂く。ここは休む予定の場所ではないので、5分ほどの休憩ですぐに出発。
スタートすると直ぐにラン禁止区間に突入。
はや歩きで進む。みんなちゃんと歩いているのだろうか。
だーれもいないけど、ここはしっかりルールを守って我慢、我慢。
この区間は自然への影響を考慮してランを禁止するだけのことはある。
手付かずの豊かな自然を感じられるなかなか雰囲気のいいトレイル。
しばし、ゆったりとトレッキングを楽しむ。
私のいくトレイルではなかなかお目に掛かれない大きさの松ぼっくり。
歩きでも早い人は速い。歩きなのにあっという間に見えなくなる人がいる。
後ろからも追い付かれた。もう少しはや歩きしてもいいのかな?
次第に細かな溶岩砂礫の登り道となり、見渡しがよくなってくる。
高度が上昇するにつれ草木も生えぬといった雰囲気に。
四辻までの登りは歩きにくいが斜度は緩やかなのでじっくり登る。
富士宮方面の眺めがいい。
四辻はコースの最高地点となる高度1800m。
ここからは太郎坊エイドまでは一気の下り。
これが噂の砂走りか。(初体験です)
富士山最接近。いやもうここは富士山か。
ついに富士山の東側の景色が見えてきた。
くっきりと姿を見せる富士山を横目にテンションアゲアゲ て豪快にダッシュ。
足も半分埋まりながらザクザクと駆け下りる。
思わず雄叫びをあげてしまいたくなる。(実際あげてた)
後になってこのダウンヒルはもう少し押さえた方がよかったと少し反省 (その後、一気に足にきたもんで)。
はるか彼方に見えた太郎坊エイドだったが、なんだか、あっという間にくだりきった。
A6太郎坊到着。95.9km。19時間44分(LAP1時間31分)。
給水もらいながら次のエイドまでの距離などを係りの人に聞いていたら、なんとボランティアしてたのはハンサムネコさんでした。
いつ以来のご対面になるだろうか。ネコさんも覚えていてくれてた。
テンション上がったままだったので、休むまもなく直ぐにスタート。(これも失敗だったかも)
次のエイドまではほぼ平坦。
なんだかつまらないトレイルだったような気がするがここもあまり覚えてない。
なんだか真っ直ぐなトレイルを延々と走らされたような気がする。
前後には全く人の影すらなく、完全に一人旅が続く。
ここらへんから段々と疲れが出てきたようだ。
そう、砂走りのダウンヒルはよくなかった。休憩もきちんととらなかったし。
そもそも単調な道はすぐに飽きるというか、いやになって気力が落ちる。
チェックポイントを過ぎて、須走まで長いロードの下りに入るとまたまた足が止まった。
ここまでいい気になって走り続けたてきたが、やはり100kmを走ってくるとさすがに脚はすっかり擦り減ってきているようだ。
ダラダラな下りだから重力なりに走ってみるが全く力が出ない。
惰性だけで前に進んでいる感じ。走っているけど歩いているのと変わらない。いっそのこと歩いちゃえばよかった。
延々にも思える長い下り。いつになったらエイドにつくのか。 果てしなく続くロード。めっちゃきつい。
やはりトレランのロード区間は鬼門だな。
もうヘロヘロになりながらもどうにか下りきった。
A7すばしり到着。105.3km。21時間6分(LAP1時間17分)
ここにきてなんだか精神的にもやられた感じ。
あと三分の一だよなんて声掛けられて、ガクッと肩が落ちる。
この先本当にゴールまで辿り着けるのか自信がなくなってきた。
もう進む気力も失せてきていた。
マッサージをしてくれるとのことで、とりあえず、足を引きづりながらマッサージ台に横たわる。
痛めた股関節を中心にマッサージしてもらう。
どれくらいの時間が過ぎたのか全くわからない。
お雑煮、おしるこ、となんでも口にしておく。
もう、ジェルの味には飽きていた。
それでも気力が回復することはなく、テントで少し横になって休むことにした。
自分でストレッチをしながら、これからどうするか思考を巡らす。
この時、今までレース参戦してきて初めてリタイアを意識した。
ここまでは調子が良さそうなのでいい気になって走りすぎた。
後先考えずにオーバーペースが過ぎたのかもしれない。
ここにきて一気に気力・体力ともに落ち込んでしまった。
今までのような走り方を続けていたら、恐らく完走は出来ないだろう。
脚は直ぐに売り切れて動かなくなるに違いない。
幸い前半までの貯金がまだたっぷりあるし、制限時間までにはまだまだ余裕がある。
今回は初マイルでもあることだし、とにかく完走を目指そう。
時間はともかくも結果をきちんと残そう。
まだ、諦めるには早すぎる。まだまだリタイアするなんてこと考えるのは止めよう。
これから先の各エイドでは脚の回復のためしっかり休むことにしよう。
先ずは次のエイドを目指し、そしてまた次のエイドとひとつひとつクリアしていこう。
そうだ、ゴールまでの残り距離を考えるのではなく、先ずは次のエイドまでのことだけを考えよう。
走り方も今までのようにガツガツ走るのは止めて、省エネ走法に切り替えて、歩幅を縮めてなるべく脚に負担を掛けずに優しく走ることにする。
当然スピードは遅くなるだろうがここまでくれば速さじゃない。
よし、そうと決まれば前に進むしかない。
なんとか重い腰を持ち上げて、再び走り始める。いや、歩き始めるでした。
このエイドにはなんと1時間20分も滞在してしまった。
しかし、このあとの完走という目標のためには仕方の無い、貴重な時間だったはずだ。
さあ、次のエイドに進もう。
(Vol.4に続く)
>完全に一人旅
精神的にも厳しいですね
by いっぷく (2013-05-07 02:48)
さすが、百戦錬磨、冷静に走っていますね。
by thick-beard (2013-05-07 02:50)
子どもの国~すばしりはSTYでは序盤戦でも
UTMFでは100kmこえてきた区間で、視点や感じ方、
身体の具合などが分刻みで変化していることが伝わりました。
折れそうな心を修正する辺り、harleyさんの強さを感じました。
by ごーやん (2013-05-07 03:46)
昨年すばしりの上り勾配きついと思いましたが、
今年は下りで思ったほど勾配無く感じました。
ただずっと下りもつらい。
私はすばしりは太郎坊からあっという間に感じたので
比較的元気でした。
by sally (2013-05-07 12:24)
早く歩ける人はうらやましいです。すばしり体験は貴重
でしたね。まだまだ先は長い。頑張れ!
by hime (2013-05-07 18:14)
この距離まできても写真を撮る余裕はさすが
鉄人ですよね。
ん?松ぼっくりなの?
by JUN (2013-05-07 19:37)
>いっぷくさん
時折会う選手とは声掛け合ったりするんですけどね。
チームスポーツとは違い、頼れるのは自分、そして自分との闘いでもあります。
by harley (2013-05-08 07:26)
>thlck-beardさん
もし、百戦してたとしても、今回は最強の相手でした。
細かな分析、戦略は考えられなかったので冷静と言えるかどうか。
by harley (2013-05-08 07:34)
>ごーやんさん
それは突如としてやってきて
、いつの間にか走れるようになったりします。
ここまで折れたのは初めてかな。
by harley (2013-05-08 07:37)
>sallyさん
後半、いかに走るかが鍵ですね。
30kmまでは押さえて、と思ってたけど、マイルとなると100kmまでは押さえないだめですかね(笑)。
by harley (2013-05-08 07:43)
>himeさん
ここまでずいぶん走ったつもりなのにまだまだ残り距離があるのに呆然でした。
by harley (2013-05-08 07:50)
>JUNさん
記憶が薄いので、もっと撮っておけばよかったくらいです。
調べてないけど松ぼっくりだと思います。動物のう○ちではありません。
by harley (2013-05-08 07:57)
肉体的疲労よりも精神的疲労が関門がきたというところでしょうか。鏑木氏が100マイルは精神世界の勝負といっていますが、その片鱗が見えた感じですね。100キロ過ぎてもまだ残り60キロ。。。想像できません。
さあ、残りどうなる!?
by いかいか (2013-05-19 00:57)